事業者や営業マン必読 他人に教えたくないとまで思う ―「影響力の武器」―

ほかの人に教えたくない そう思わせる本

ライター事務所「つむぎや」のアキラ(@510tsumugiya)です。

ほかの人に教えたくない。
もっと早く出会いたかった。
そう思わせる本ってありますよね。

「影響力の武器」(ロバート・B・チャルディーニ著)は、間違いなくそんな一冊。名著です。

 

個人的には起業前に読むことができただけ幸運だったと感じています。

僕は、もともと新聞記者をしていましたが、モノやサービスを顧客に売る、という経験がありませんでした。移住先の離島でライターとして独立することを決めたけれど、営業やマーケティングといった分野は知識も経験も皆無。

困り果てて日々、参考にできる「聖典」はないかとネットサーフィンしていたところ、この本に出会いました。

著名人含め、イチ押しの人多数。ブロガーのイケダハヤトさんも推しています。アマゾンレビューものぞきましたが、いずれも高評価で迷わず購入。第三版まで出ています。

行動心理学の観点から「人を動かすものは何なのか」をまとめた本なんですが、逆説的に言えば「人を動かすには、こんなテクニックがある」をまとめた本ともいえます。

ビジネスに活用できる技術が満載

学者が書いた本らしく徹底した実験とデータを元に結論を導いていますが、人が動かされた具体例として、どうやったら顧客にモノやサービスを買ってもらうことができるのか、という例がたくさん出てきます。当然、無理やり買わせるわけではなくて、あくまでも相手の意志で購入させるテクニックです。

読んでいて「これは自分の商売にも活用できるのでは」と思った事例がたくさんあり、本に赤線を引きまくりました。読んでいただければ、きっと同じ気持ちになると思います。

例えば、こんな例が紹介されています。

「良い」宝石を欲しいと思っていた観光客は、価格だけが釣り上げられた宝石を見たときに、これは買う価値があるものだと信じ込んでしまったのです。価格だけが品質の善し悪しを決める引き金特徴になっており~

人間は「高価なもの=良いもの」と思いがちで、価格さえわかれば必要なことすべてを知った気になる、という例。ビジネス書でもよく見かけるワザですね。「価格を上げても顧客は離れない! むしろ増える!」みたいなものです。

読み進めていて「なるほど!」と目からうろこだったのは、人は、どうしてそう行動したのかよく分からないことが結構多い、という分析。実は心理学的な要因があるのだけれど、当の本人はそれを自覚していないケースが多いそうです。

その自分は自覚してないけれど、自分の行動を決定付ける原因は何なのか、がこの本に詰まっています。

人を動かす6つの原理

著者のチャルディーニは、人を動かす原理を6つに分類しています。

ネタバレにならない程度に、6つを紹介すると、

「返法性」

「一貫性」

「社会的証明」

「好意」

「権威」

「希少性」

となります。

個人的に一番感銘を受けたのは、「一貫性」を論じた第3章。

「一貫性」というのは「人はひとたび決定したりある立場を取ると、それに一貫した行動を取るよう圧力がかかってしまう」というもの。わかりやすい例で言えば、いったん口にした約束は守らないといけない気になる、といったことでしょうか。

第3章では、おもちゃの売上げが極端に落ち込むクリスマス後、大手玩具メーカーがどのような戦略で親が子におもちゃを買うよう仕向けているのか、という実例が紹介されています。

玩具メーカーの「策略」に見事にハマった著者が、友人から種明かしされる場面。

「クリスマスの前から、ある特別なおもちゃの魅力的なコマーシャルをテレビで流し始めるんだ。子供たちは当然、それが欲しくなる。そこで、両親にそれをクリスマスプレゼントとして買ってもらう約束を取り付けることになる」

ここからが、玩具メーカーの恐ろしい? ところ。

「子どもたちが両親に約束させたおもちゃを店には少ししか卸さない。大半の親はそのおもちゃが売り切れてしまったことを知って、同じくらい魅力的なおもちゃを代わりに買わざるを得なくなる。もちろん、メーカーは店に、こうした代用品をきまって十分に卸しておくわけだ」

あれ、せっかくコマーシャルまで流したのに、なぜ商品を卸さないの? と思いますが……。

「クリスマスが終わったら、玩具メーカーはもう一度特別なおもちゃのコマーシャルをまた流し始める。そうなると、子どもたちは前以上にそのおもちゃが欲しくなる。両親の所に走っていき、こう言ってぐずるわけだ。<約束したじゃないか、買ってくれるって約束したじゃないか>。そうすると、大人たちは自分の言葉を裏切りたくないから、思い足を引きずりながら店に買いに行くわけさ」

……すごいですよね。心理学を学ばずして、ビジネスができるのかとさえ思いました。

この本は、とりわけ事業主や営業マン、マーケティングに携わる人に手にして欲しいと思います。必ず役に立つと思います。

ほかの人の口コミは

ほかの人のレビューに目を通すと

・「(内容的に)古いなあ」と思う

・「ゲーム理論など、より科学的・複合的に書かれた本もある」

といった意見があるのも確かです。

心理学を多少学んだ経験がある人であれば、そうなのかなと思いますが、僕のように心理学の素人にとっては学べることが山盛りな本であることは確か。

6つの定義の中には、確かに「まあ、そうだよね」と思わせる内容もありますが、それは「言われてみれば、そうだよね」といったコロンブスの卵的なもの。知ってしまったから言える意見だと思います。

僕は42歳でようやくこの本を手にしましたが、いつになっても遅すぎることはないと思います。読んで損をすることはありませんよ!

 


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