フリーランス・個人事業主 「開業届」提出の手順

開業届 出さない人もいますが…

ライター事務所「つむぎや」のアキラ(@510tsumugiya)です。

フリーランスライターとしての独立に際し「開業届」を提出することにました。

開業届……。いよいよ、という感じがします。なんだか気持ちも引き締まりますね。

出さないまま仕事を始めることもできますが、出した方がメリットがあります。

そこで今回は自らの体験を踏まえ、開業届の役割をはじめ、開業届を記入・提出する流れをまとめました。

提出期限は開業日から一カ月以内

開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」。実物はこんな感じ。

提出先は所轄の税務署。どこが所轄なのかは、国税庁HP「国税局・税務署を調べる」で簡単に調べられます。

提出期限は、開業した日から一カ月以内です。ちなみに、事務所を移転したときなども提出する必要があるのでご注意を。

開業届を提出しないまま事業を続けている人もいます。提出しなくても罰則規定があるわけではありません。

実害はないと言えばそうなんですが、あとで詳しく説明しますが開業届を提出することによるメリットがあるほか、「よーし、いよいよ開業だ!」と気持ちにスイッチを入れる意味でも提出したほうがいいと思います。

開業届記入の手順

開業届の提出書類は、税務署で直接入手できますし、国税庁HP([手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続)からもPDFをダウンロードできます。

ちなみに「書き方」も同様にダウンロードできますが、ちょっと固くて分かりにくいかな、という印象。

ダウンロード用PDFは、提出用と「控用」の2枚セットになっていますが、両方とも提出してください。控えは受付印を押してもらったあと返却してもらい、銀行口座の開設など開業準備を進めるのに活用してください

郵送で提出する場合は、切手を貼った返信用封筒を同封し、受付印を押してもらった控えを送り返してもらいましょう。

記入自体はそれほど難しくはないのですが、いくつか迷いそうなところがあるので、いくつかピックアップして解説していきます。

納税地 自宅住所が一般的

納税地を記入する欄では「住所地」「居所地」「事業所等」のいずれかにチエックを入れ、その住所を記入する必要があります。

個人事業主の場合は、自宅の住所地が一般的でしょう。住所とは、生活の拠点になっている場所のことですね。

居所とは「生活の本拠、と言うまでには至らない場所」のこと。資産家であれば、セカンドハウスのような場所のことを指すんでしょうか。

住所地が納税地の場合は、住所地の住所を記入するだけでOKですが、事業所(事務所や店舗)などを納税地にする場合は、すぐ下の欄「上記以外の住所地・事業所等」に住所地を記入する必要があります。

「納税地欄」と「上記以外の住所地・事業所等」欄の場所を所轄する税務署が異なる場合は、二か所とも開業届を提出しないといけないので、お忘れなく。

電話番号は、固定電話ではなく携帯電話でも問題ありません。

個人番号 「マイナンバー」を記入

いわゆるマイナンバーを記入する欄です。手元にある「通知カード」または「マイナンバーカード」に記載してある12桁の数字を書いてください。

注意していただきたいのは、個人情報保護の観点から、「控え」には個人番号を記載しなくてもいいとういこと。

国税庁HPからダウンロードできるPDF開業届は提出用、控え用の2枚セットで、提出用を記入すると自動的に控えにも転写されるシステムになっています。超便利! ですが、マイナンバー欄だけは提出用に個人番号を入力しても、控えには転写されない仕様となっています。これはすばらしい!

なお、マイナンバー制度が導入される前につくられた古いインターネットサイトの中には、開業届のPDFにマイナンバーを記入する欄のないものがあります。ネットあるあるですよね。

なので、開業届PDFをダウンロードする際は、最新の開業届を入手できる国税庁HPを利用してください!

もちろん、このサイトで紹介しているリンクは、マイナンバー対応のものです。

職業 絞れない人は中心となる事業の肩書で

個人事業主として、どのような職業で開業するのか記入しましょう。

正式な名称が分からない、という方は、総務省が定めた産業分類「日本標準産業分類」を参考にしてもいいでしょう。

「いろいろな事業を手掛ける予定だから、一つに絞れない」という方もいるかもしれませんが、あくまで中心となる事業の肩書でOK。

届出書の下の方に「事業の概要」を具体的に記入する欄もあるので、多角経営である場合はそこで説明すればいいです。神経質になる必要はありません。

参考までに、ひとつ記憶に留めてほしいのが、職業(業種)によって個人事業税の税率が3~5%違うということ。

例えば、マッサージ業は3%ですが、デザイン業は5%といった具合。ほとんどの業種は5%ですが、課税対象にならない業種もあります。

どういう歴史があってこんな区分ができたのか、謎ですよね……。

ちなみに、ライターは課税対象外です! よし!

ただし、個人事業税を逃れるため、うその職業を書いてはいけません! どうせ、すぐにばれます。

一方で、個人事業者は290万円の「事業主控除」が認められているので、年間所得が290万円以下の場合は、個人事業税を払う必要はありません。細々と事業を展開する分には、関係ないということですね。

屋号 あったほうが信頼増す?

フリーランスの場合、個人名で仕事をしている方も多いですが、「屋号」をつけることも可能です。

僕もそうでしたが、屋号っていったん考え出すときりがないんですよね……。

税務署に行って、その場で開業届を記入して提出する予定の方は事前によく考えた方がいいと思います。

屋号の付け方については「フリーランス・個人事業主 屋号の決め方と注意点」の回で、いろいろ紹介しています。こちらもご覧ください。

「今はそうでもない」とも言われますが、昔は、個人事業主が大きな会社を相手に仕事をする際、「屋号ぐらいないと、なめられたり信用してもらえなかったりすることが多かった」そうです。

知名度のあるフリーランスならともかく、そうでないと怪しく思われたんでしょうね……。仕方ないかな、とも思いますが。

ちなみに、この屋号欄は空欄でも大丈夫です。なかなか決められない場合は、実際に開業してからでもいいでしょう。

届出の区分

文頭にある「開業」を丸で囲めばOK。国税庁HPからPDFをダウンロードした場合は、いったん印刷した後に、手書きで丸を書きこみましょう。

事業の引継ぎを受ける予定の方は、続けて住所と名前を書いてください。

開業日

常識的な範囲で、事業を始める予定の日付を記入してもいいですし、事業を開始した後に開業日までさかのぼった日付を記入しても大丈夫です。

ちなみに、税務署に「少し先の日付を開業日の欄に書き、事前に提出しても大丈夫か」と確認したところ「受理します」と言われました。

注記として、一筆事情を書いたりする必要もないそうです。意外と?融通が利きますよね。

開業・廃業に伴う届出書の提出の有無

「青色申告承認申請書」にチェックし、青色申告することをおすすめします。開業届と一緒に「青色申告承認申請書」も提出してしまいましょう。

事業を始めると確定申告の義務が生じますが、確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。

詳しくはフリーランス・個人事業主 節税効果抜群! 確定申告は青色申告での回で解説していますが、青色申告を選択すると、最大65万円の控除を受けることができるなど、節税の観点からさまざまな恩恵を受けることができます。

ちなみに「青色申告申請書」は、開業届とは別に記入し提出する必要があります。事前に届け出が必要で、提出期限は開業日から二カ月以内。

うっかり提出を忘れたり遅れたりすると、次の年の確定申告に間に合わないこともあるので、開業届と同時に提出するのがおすすめです。

青色申告申請書を提出するには開業届を出していないといけないので、ご注意を!

青色申告申請書の提出先は、開業届と同じ税務署になります。

事業の概要 できるだけ具体的に

なるべく具体的に書くことが大切。と言っても「職業」欄と一緒で、何か参考になるものがないと書きにくいですよね。

主に株式会社向けですが、ネットで「事業目的」「サンプル」「定款」などと検索すれば、具体例がたくさん出てくるので参考にしてもいでしょう。定款サンプル専用のサイトもあります。

将来的に取り組もうと思っている事業があれば、それも記入しておきましょう。

本当にやる気があるのか! と問い詰められることはありません。大きなお世話です。書いてしまいましょう。

開業届の記入 神経質にならなくても大丈夫!

いかがだったでしょうか? 手元の開業届は、漏れなく記入できましたか?

税務署にもいろいろと確認しましたが、記入自体はそれほど神経質になる必要はないようです。

あまりにもおかしなところがあれば、また税務署から確認の連絡が入るでしょう。

開業もしていないのに、開業届などで神経をすり減らす必要はないですよ!

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