カリスマファンドマネージャー藤野氏の投資哲学を学ぶ ―「投資バカの思考法」―

30代で「カリスマファンドマネージャー」と呼ばれた藤野英人氏が、投資哲学をまとめた本です。

藤野氏は、独立系の資産運用会社「レオス・キャピタルワークス」社長で最高投資責任者(2018年1月時点)。

中小型・成長株の運用経験が豊富で、ファンドマネージャーとしてのキャリアが長いです。

野村投資顧問(現野村アセットマネジメント)、ジャーディンフレミング(現JPモルガン・アセット・マネジメント)、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを経て、2003年にレオスを創業しました。

レオスは日本株を専門としていて、投資信託の「ひふみ」シリーズが有名ですね。

金融商品としての評価が高く、ローリスク・ハイリターンのファンドに贈られる「R&Iファンド大賞」を何度も受賞しています。

この本は、タイトルが一目軽い感じなので、手に取るのをためらう人もいると思いますが、中身は投資に対する藤野氏の真摯な考えが詰まっています。

投資のテクニカル的なノウハウ本かと思いきや、投資に体する考え方や姿勢が中心。

決して奇抜な内容ではなく、イメージ的には保守本流でしょうか。

これから投資を始めようとしている人や、投資初心者の方にぴったりな本です。

人間臭いレオス・キャピタルワークスのHP

本の内容に入る前に、レオス・キャピタルワークスのホームページを紹介させてください。リンクを張っておきます。

レオス・キャピタルワークス 公式HP 

HP内をあちこち見ていくと分かるんですが、とにかく社員の顔が映っている写真が多いですよね。

藤野氏は、投資先企業を判断する際に「HPに経営者の顔写真が載っていること」も重視しているそうですが、それを地で行くかのように自身の会社のHPは藤野氏を含め大勢の社員の写真が掲載されています。

金融会社のHPを見たことがある方も多いと思いますが、こんな雰囲気のHPは相当珍しいですよね。

ふつう金融会社のHPといえば、もっと無機質でカタい感じがして、社員が笑っている写真が次々と出てくることなんてないです。

レオスのHPは、何というか、とても人間臭い。

それは、藤野氏がある意味人間臭い一面を持っているからだと思います。

藤野氏は、こう話しています。

原則として私は、社長に会って投資するかどうかを決めています。(中略)会社の成長は、大部分は、社長で決まります。経営理念やビジョンを話すときに目を輝かせる社長は、信頼できます。トップが情熱を傾けない事業に、成功の芽はありません。

「カリスマ」と呼ばれるくらいだから、データを分析したりする能力がずば抜けているのかと思えば、全然泥臭いことをしているんですね。

この本を執筆して時点で、約6000人の社長に会っているそうです。

「入れたくない株をあえてポートフォリオに」「簿価は忘れて今の市場価値を」

長期投資の有効性やリスクを負う必要性など、ごく一般的で基本的な提言も多いですが、はっとさせられる内容も多いです。

ケインズは、「雇用・利子および貨幣の一般理論」の中で、株式市場における投資家の行動を「美人投票(ビューティーコンテスト)」に例えています。(中略)簡単に言うと、「自分が美人と思う人に投資をするのではなく、みんあが美人だと思う人を当てなければならない」とういことです。

これはケインズの言葉ではありますが、「自分がどう思うか」より「多くの人がどう思うか」が投資には大切、という基本に改めて気づかせてくれる部分です。

独特だな、と思ったのは次の言葉。

ポートフォリオには「入れたくない会社」を組み込む

ユニークな発想ですよね。

ポートフォリオとは「資産構成」のことで、例えば株式であれば、どの会社の株式をどんな比率で組み込むか、ということです。

藤野氏は、「美しい」ファンドは完成されているからこそ、想定していない事態が起こった際に瞬間的にバラバラになる、と考えています。

なので、あえてポートフォリオを「不完全な状態」に、つまりあえて「入れたくない会社」を一定数組み込むようにしているそうです。

完成は崩壊の始まりで、未完成はくずれない

これが「ひふみ投信」が勝ち続けている理由の一つと断言しています。

個人投資家の方に、ぜひ覚えておいてほしいのは次の言葉。

投資で大切なのは、簿価を忘れて、「時価」=「今の市場価格」で考えることです。私は、株をいくらで買ったかに、ほとんど関心がありません。簿価に関係なく、「このまま持っているのは良くない」と思えば、躊躇なく売ります。なぜそんなことできるのかというと、投資で大事なのは、「『今』の価格をどう評価するか」であって、「いくらで買ったか」は関係ないからです。

仮に、3年前に300万円で買った株が、80万円まで下落したとします。

300万円で買ったことを覚えていると、売ることができません。

こんな時、藤野氏は「今、手元に80万円あったとしたら、この株を買うだろうか」と考えるそうです。

買った時の値段を忘れ、「この株を今、80万円で買う価値があるか」を考える。

「買う」と思えば持ち続け、「買わない」ならすぐに売るそうです。

今持っているものの価値を見極めることが大切、ということですね。参考になります。

仮想通貨初心者にもおすすめ

例えば、チャートの読み方とかテクニカル分析の手法とか、具体的なノウハウを求めている人は満足できない本かも知れません。

ですが、そのようなテクニック以前に、学ぶべき投資の理念がこの本には詰まっていると思います。

ブームが来ている仮想通貨を始めたばかりの人にもおススメです。

投資を始めるに際しては、小手先のテクニックより、哲学を学ぶことの方が、結局は大きな実をつけることができるのではないでしょうか。

 

 

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