フリーランス・個人事業主 源泉徴収されていること知ってますか? 節税に向け制度を学ぼう

報酬から少し何か引かれている? 原因は源泉徴収かも

ライター事務所「つむぎや」のアキラ(@510tsumugiya)です。

報酬をもらったのに、約束の金額よりなぜかちょっと少なくて「どうしてだろう……」と不安になった経験ありませんか?

振り込み手数料など、いくつか原因が考えられますが、源泉徴収である場合が多いです。

サラリーマン経験者なら「源泉徴収って、給与から引かれてるやつでしょ? 年末、ごちゃごちゃした書類を会社に提出したら、少しお金が戻ってくるやつ」ぐらいの認識でしょうか。僕はそうでした。

ですが、結局どんな仕組みなのか説明できない人も多いと思います。

個人事業主やフリーランスとして独立すると確定申告する必要に迫られますが、源泉徴収の知識は不可欠。

お金が還ってくることもあるのに、税務署がわざわざ「もしもし、あなた源泉徴収しないと損しますよ」と教えてはくれません。あくまでも、自己申告する必要があります。

知らないと損することがあるのなら、勉強する必要がありますよね。事業を手がけているのなら、なおさらでしょう。そこで、今回は源泉徴収の基本をまとめてみました。

源泉徴収とは、前もって報酬から税金を差し引くこと

源泉徴収とは、報酬を支払う側(会社など)が、前もって報酬から税金を差し引いて国に納める制度をいいます。

税金は本来、個人が納めるのが基本なんですが、代行してもらっていることになります。

ただ、納めるべき税額をきちんと計算する前のざっくりとした「前払い」になるので、どうしても最終的に確定した税額とズレが生じます。

そのズレを確認する作業が「年末調整」。これにより、お金が還ってきたり、逆に追加徴収されたりします。

原稿料、デザイン料などが主な対象

源泉徴収は、実はすべての報酬が対象となる訳ではありません。

代表的なのは給与所得。サラリーマンであれば毎月天引きされているので、おなじみですね。

個人事業主・フリーランスに関係が深い分野では、原稿料や広告デザイン料、写真撮影費、講演料などがあります。

僕はライターなので、原稿料はたいてい源泉徴収されています。

自分の業務が対象になるのかどうか調べたい方は、国税庁HP「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」に詳しく載っているのでご参照ください。

税額の計算方法

源泉徴収の税率は10.21%が基本となります。

元来10%ですが、平成25年1月1日~平成49年12月末まで、0.21%の復興特別所得税が上乗せされています。

実際に計算すると、きれいに割り切れず端数も出ますが、1円未満の端数は切り捨てです。

税率の計算式は、報酬が「100万円以下」か「100万円を超えるか」で変わります。見てみましょう。

報酬100万円以下

式)報酬×10.21=源泉徴収税

例)100,000円×10.21%=10,210円

分かりやすいですね。掛けるだけです。

報酬100万円超

式)(報酬ー100万円)×20.42%+102,100円=源泉徴収税

例)(1,500,000円ー1,000,000円)×20.42%+102,100円=204,200円

少しややこしいですが、100万円を超えた分のみに20.42%の税率が適用される、ということです。

100万円以下の分は102,100円で、後から足していることになります。

計算に使う「報酬」は消費税込み? 抜き?

源泉徴収を計算する際に迷うのは、税率を掛ける「報酬」は、消費税分を加えた「税込み額」なのか、加える前の「税抜き額」なのか、ということ。

これに関し、国税庁はどちらでもいい、という見解を示しています(参照:国税庁HP「消費税等と源泉所得税及び復興特別所得税」)

国税によると原則は消費税込みの全体の金額が対象ですが、請求書などで報酬と消費税額が明確に区分されている場合は、報酬のみを源泉徴収の対象としてもいい、とのことです。

源泉徴収した税金の納付

源泉徴収した側は、差し引いた税金を、支払った月の翌月10日までに国に納付する必要があります。

「毎月納めるのは手間」という事業所のために、従業員が9人以下であれば年2回にまとめられる特例もあります。

個人事業主は「源泉徴収義務者」?

源泉徴収する義務がある人や団体のことを「源泉徴収義務者」といいます。

人を雇って給与を支払っている会社や個人事業主、さらに学校や官公庁、社団、財団も当てはまります。

では、個人事業主は給与を支払う人がいれば必ず源泉徴収義務者となるのでしょうか?

違います。

国税は個人事業主に関し、次のいずれかに当てはまる場合、源泉徴収する必要はないとの見解を示しています。

1、常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与や退職金を支払っている人
2、給与や退職金の支払がなく、弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人

国税庁HP:「源泉徴収義務者とは」から抜粋

つまり、個人事業主は基本的に独りで仕事をしていたり、給与を払う人がいてもきちんとした業務を任せていない限り、源泉徴収義務者とはならない、ということです。

原稿執筆や写真撮影など通常、源泉徴収が必要な業務を外注した場合でも、源泉徴収する必要はないのでご注意を。

年明けに送られてくる「支払調書」で確定申告を

もらった報酬が源泉徴収されていた場合、原則として仕事を発注した側から、1月ごろ「支払調書」が送られてきます。

「支払調書」には、支払われた報酬額や、源泉徴収された額が記載されています。

受け取った側は、これを元に確定申告書を記入しますが、実は支払調書はかならず送られてくるものではありません。

大企業でも送ってこないケースはあるので、報酬や源泉徴収の額はきちんと自己管理しておきましょう。

確定申告すると、払い過ぎていた税金が還ってくるケースも多いです。

何度も言いますが、税金を払いすぎていても誰も教えてはくれません。面倒くさがらず、漏れがないよう自己責任できちんとしましょう。

少しづつ勉強していけば難しくはない

源泉徴収の基本、いかがだったでしょうか?

一見難しそうですが、こうやって一つひとつ潰していくと、それほど難しくはなかったと思います。

個人的に「払い過ぎた税金を返してもらう」「合法的に節税する」といった知識は、売上を伸ばすのと同じくらい大切なことだと思っています。

還付金や節税効果が、わずか年数万円のこともあるでしょう。ですが、それだけの純利益を上げるのに、どれだけ売上高が必要になりますか?

一個100円の商品を売っている事業者であれば、数万円の純利益をあげるのに、何百個もの商品を売らないといけないケースもあるでしょう。

源泉徴収は、個人事業主・フリーランスとして生きていくのであれば避けられない制度。

取られすぎた税金を還してもらえるチャンスと思えば、がぜんやる気も出ますよ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です