ライターのみなさん 取材中に相手が「脱線」すると腹が立ちますか?

取材相手の「脱線」困りますよね

ライター事務所「ツムギヤ」のアキラ(@510tsumugiya)です。

ライターにもいろいろなタイプがありますが、人に直接会って話を聞き、原稿を書くスタイルの人も多いと思います。取材とインタビューをライティングの柱としている僕も、そんなタイプです。

いろいろな人に会って話を聞くのは面白いですよね。取材名目で、何でも聞くことができます。

ライターの喜びの一つではないでしょうか。

一方で、時々ものすごく「脱線」する取材相手もいますよね。

ある質問をしたのに、「そういえば……」と、まったく関係ない話題に話が飛んでしまい、なかなか本題に戻れなかった経験、少なからずあると思います。

次の予定が迫っていたり、帰りの電車や飛行機の時間が決まっているときは、ついイライラしてしまうことも……。

ですが、そんな「脱線」も、一概に悪いことばかりではありません。むしろ好ましいとさえ思います。

今回は、そんな話をしたいと思います。

取材に備え、事前準備は必要ですが…

「インタビューの基本!」といったサイトや本を読んでいると、必ずといっていほど「事前に相手の情報をきちんと調べていくこと。それぐらい常識!」といった解説がありますよね。

確かにその通りです。

徹底的に調べる必要はないと思いますが、その人を語る上で、どうしても欠かせないエピソードを「落とす」ことも少し怖いですね。

僕も、質問項目は必ず用意しています。ですが、取材が始まると、必ずしも準備した質問にはこだわらないようにしています。

「一問一答」のように「用意した質問⇒回答」「用意した質問⇒回答」……取材終了、とは絶対にしません。

それには、大切な訳があります。

下調べ情報だけに頼った「決め打ち」取材はNG

取材前にいろいろ下調べをしていると、「この話題は面白そうだ。よし、原稿はこの話で組み立てよう!」と、何を書くのか取材する前から「決め打ち」してしまう傾向があります。

ほかの人が書いた記事などを見て、面白いエピソードがあると飛びつきたくなりますよね。

著名人の人生を振り返るTV番組を観ていて「どの放送局も同じエピソードを紹介しているな…」と感じることが多いのは、面白い内容をパクっているのも理由の一つでしょう。

確かに、その逸話が、その人を語るうえで、どうしても欠かせないエピソードであるケースもあると思います。

ですが、そうではないケースもたくさんあると思いますし、そこに思わぬ落とし穴があります。

それは、実はもっと面白い話が聞けたかもしれないのに、用意してきた質問ばかりしてしまい結局、下調べした以上の話を聞けないおそれがある、ということです。

もっともっと面白い話を書けるチャンスがあったかもしれないのに、もったいない。

同じ内容なら、改めて記事を書く意味もないですよね?

ですが、こんな風に「決め打ち」取材をしているライターは相当多いと思います。

「脱線」すると、思わぬいい話にめぐり合えることがある

ここで本題の「脱線」に戻ります。

用意した質問ばかり相手にぶつけて「脱線」を許さないと、相手はこちらが知っていること以上のことは話さないはずです。

そりゃあ、そうです。答えが分かっている内容を質問しているんですから。

しゃべらせて、それを記事にするための質問をしているんですから。

だからこそ「脱線」が大切なんです。

取材相手が「脱線」するのは、ある意味、気持ちよくしゃべっている証拠。

いろいろなことを思い出したり、こちらが知らないおもしろい話を始める可能性も高まります。

誰も知らない話を、自分が真っ先に書く。しかも面白い。

そんな原稿を書ければ、ライター冥利に尽きます。

そのためには「脱線」がとてもいいきっかけとなります。

とりわけ取材慣れしている相手は、聞かれる内容もほとんど同じことが多く、同じ話を何度も繰り返しがち。

そんな相手から、これまでにないエピソードを引き出して書くことができれば一流のインタビュアーですね!

ちなみに離島取材も「決め打ち」ばかり そこで離島ライターの出番

僕は、長崎県・五島列島の新上五島町という離島に住んでいます。

世界遺産登録を目指している構成資産が島にあり(2017年10月時点)、テレビや雑誌などさまざまなメディアが取材に来ています。

ですが、島にやってきたメディアの様子を見ていると、これまで話した「決め打ち取材」が本当に多いです。

「話を聞くならこの人」「島グルメならここ」「美しい海ならあこ」といった風に横一線。個性がありません。

とはいえ、東京から五島列島まで取材に来ることを考えると、予算の都合上、のんびりしていられない事情があります。

飛行機に、船にと乗り継ぎを繰り返し、ようやく島へ。

一泊ぐらいではとても時間が足りず、二泊、三泊はあたり前。

あげくの果てに、海が荒れれば唯一の交通手段である船が欠航し、島に缶詰め状態。秋の台風シーズンなどは特に気を使います。

時間的にも、予算的にも、とても「脱線」話にのんびりと耳を傾ける気分にはなれないのではないでしょうか?

僕が離島でライターとして起業を考えたのは、そこのチャンスがあると感じたからです。

多額な出費を覚悟し首都圏などの大都市から離島に取材陣を派遣するより、現地にライターがいるのであれば、取材を任せてしまえば相当、予算が浮くはずです。

僕の場合、例えば約1000文字の原稿執筆は、取材費と執筆料でおおむね2万円強で引き受けています。東京からの交通費だけで原稿料がまかなえると思いませんか?

脱線も嫌がらず、チャンスと捉えいい原稿を

少し僕の話で脱線してしまいましたが、今回の話はいかがだったでしょうか?

僕は、いい取材というのは、聞き上手であることが一番だと思っています。

相手にいかに気持ちよく話してもらい、いい話をしてもらうかが重要。そのためには、「脱線」は、とてもいい手段になると思います。

みなさんが「脱線」をうまく活用し、素晴らしい原稿を書き上げることを楽しみにしていますね。


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