ライターへ仕事を発注する前に決めておきたいこと

ライターに仕事を頼みたい でも何を聞かれるのか分からない

ライター事務所「つむぎや」のアキラ(@510tsumugiya)です。

ライティングの仕事をいただくとき「ライターに仕事を頼んだことがないんだけど……」と言われることが、たびたびあります。

普段、活字メディアと関わりがない方の場合、ライティングの相場も分からないでしょうし、事前に何を決めておくべきなのかも分からないと思います。

そこで今回は、ライターにライティングを発注する際に、あらかじめ考えておきたい内容(聞かれそうな内容)を紹介したいと思います。

ライティングを発注する前に考えておきたい8つの内容

僕の経験を元に「ライターが交渉時に確認したい内容」をまとめてみました。

①報酬(原稿料、税金や経費の扱い)
②原稿量
③文体
④想定する読者
⑤修正は何度まで?
⓺写真はどうするのか
⑦録音音声はいるのか
⑧その他(納期、媒体など)

順番に解説したいと思います。

①報酬

原稿料

文章の価値って、判断が難しいですよね。どんな文章にどれだけの価値があると思うかは、人それぞれなので。

しかも、ライティング業界は、なんとなく価格もあやふやな感じで受発注されるケースが多いです。ライター側も、価格設定を表に出していない人が相当います。業界の慣習なんでしょうか……。

ライティングの主な料金設定には次のパターンがあります

・原稿1本いくらベース
・文字数ベース
・ページ数ベース
・予算これだけだけどできる? ベース

少し掘り下げてみましょう。

「原稿1本いくら」ベース

もっともオーソドックスな価格設定です。

ボリュームに関係なく、例えば「1本1万円で」と価格を決めます。

ライティング料金の内訳はライターによってさまざまですが、主に取材に費やした時間を労働ととらえた「取材費」、原稿執筆に対する対価としての「原稿料」などがあります。取材費を別に要求しないライターもいます。

「1本いくら」設定は、もろもろをひっくるめた「丸い」数字の料金と言えます。

文字数ベース

「1文字いくら」という設定です。

WEB系で多いパターンです。クラウドワークスやランサーズを見ていると、よく登場しますね。

1文字0.5円など、非常に安価に設定されていることも多いのが特徴。

どちらかというと、ライターとしての実績が少ない人向けの価格の決め方、といった印象があります。

校正をなりわいとしている人は、文字数ベースが多い印象があります。

ページ数ベース

「1ページいくら」といった価格設定。

どんどんスクロールできるネット記事とは違って、「ページ」という区切りがはっきりしている紙媒体で採用されることが多いです。

「2ページで原稿1本書いて」というパターンも多く、結局は「原稿1本いくら」と同じような感じになることも多いです。

注意しないといけないのは「ページ」という言葉が、とてもあいまいなこと。

同じ1ページでもA3サイズもあれば、B5サイズもあります。紙の大きさによって、物理的に入る文字数も変わりますし、ページに文字をびっしり入れるのか、写真メーンで文字は添える程度なのか、によっても執筆量が大きく変わります。

ページベースで仕事を発注する際は、1ページにどれぐらいの文字を入れる予定なのか、きちんと確認してライターとの交渉に臨んでください。

「予算これだけだけどできる?」ベース

「予算はこれだけある」とライターに提示する方法です。

丸投げ戦法、とでも言えるでしょうか。

WEBのコンテンツにしろ紙媒体の原稿にしろ、目安となる予算はありますよね? この冊子を作るのに、社としてこれだけ予算を確保してある、といった数字。

それを、ライターにぶつけてみましょう。

ライターも「価格交渉は有利に進めたい」と思いつつ、実は自分なりに基準となる価格設定を持っています。譲れない(これ以上安くできない)一線、というラインもあるはず。

なので、腹を探り合うのではなく、発注者側として「予算はこれだけだ。できるのか、できないのか」とただすのが手っ取り早いかもしれません。

ちょっと予算が少ないかな、という場合はこの作戦がいいかもしれませんが、相場を知らないばかりに法外な高値となってしまうリスクがあるので注意しましょう。

「できない」と言われれば、縁がなかったと思って次のライターを探してください。

そのライターでないと書けない記事など、多くはないでしょう。

(参考)つむぎやの価格設定

参考までに、つむぎやの価格設定をご紹介しておきます。

取材費1日1万円、原稿執筆料400字5000円(いずれも税別)、写真は別途相談 ※交通・宿泊費は別途請求

を目安としています。

「高いな!」と言われたこともありますし、「それだけでいいの?」と言われたこともあります。

写真については、別の項で説明します。

税金や交通費など取材経費の扱い

料金に消費税や源泉徴収分が含まれるかどうかは、あらかじめ考えを共有しておかないとトラブルになるおそれがあります。

取材に出かければ交通費ぐらいかかりますし、遠方に行く場合は宿泊費が必要な場合もあります。僕のように、離島在住のライターであれば、そもそも日帰りが難しいことも多々。

交通費などの経費は支払う前提でいるケースがほとんどでしょうが、消費税はあたり前のように支払わず、振込代金まで何も言わずにさらーっと報酬から引いてあるケースもあります。

価格を決める際、税込みなのかそうでないのか事前にライターと話し合い、見積書を出させるのがいいでしょう。

②原稿量

「①報酬」でも少し触れましたが、原稿のボリュームによって、料金や必要な取材量が大きく変わってきます。

「全体で●ページ」というのも、やはりどれくらい文字を入れるかによって原稿料が変化するので、デザイナーなどと話し合ってコンテンツのイメージを固めてからライターと交渉した方がスムーズです。

③文体

文章は、文体によって表情が大きく変わります。

新聞のようにネクタイを締めているような硬質な文章なのか、コラムのようにある程度やわらかくて個性が前面に出るような文章がいいのか、そのあたりがはっきりしないとライターも文章を書きにくいです。

どんな文体がいいのか分らない場合は、「学術的なテーマだけど、一般の人でも分かりやすい感じで」「女子高生の日記風に」「国会答弁のようにガチガチな感じで」などとライターにイメージを伝え、考えてもらいましょう。

ライターを名乗るぐらいであれば、それぐらい対応できるはずです。

④想定する読者

誰に向けて書くのか、ということです。

例えば、科学の専門誌に掲載する原稿であれば、読者もそれなりに科学分野に精通している人なので、専門的な内容でも詳しい説明を省いて執筆することができます。むしろ、そうするべきでしょう。

コンテンツが載る媒体の読者は、どんな層なのか。誰に向けて発信したい内容なのか。それをライターに伝えておけば、読者とのマッチングがうまくいくでしょう。

⑤修正は何度まで?

納品された文章が気に入らなかった場合、ライターに何度まで修正させるか、ということです。

「何度まで」と書きましたが、回数で区切るのはなかなか難しいです。

発注した時点からお互いに誤解があったり、仕上がった原稿を見た途端にやっぱり全体的に構成を見直したくなる、といったことはよくある話。

結局、発注者の要求(時にわがまま)に、ライターがすべて応じて何度も修正し疲弊する、という話もよく聞きます。

編集権は発注者にある、といえばそれまでなんですが「安い原稿料で山のような修正や再取材を命じられ決裂した」なんて話もちらほら…。

基本的に、打ち合わせ通りの原稿であれば全面的な修正には応じない、などできれば事前に話し合うのがいいでしょう。

⓺写真はどうするのか

写真が必要な場合、ライターとは別にカメラマンを雇う予定なのか、ライターに写真も任せるのか決めておきましょう。

それほど写真を重視していないコンテンツで、ライターが「それなりに」写真を撮影できる場合は、ライターが原稿のための取材と同時に写真を撮ることも多いです。

ちなみに僕は写真が好きなので、「それなり」で良ければ撮影しています。

ですが、夜間撮影や動きが速いものの撮影、個性的な画を撮りたいときなどは、やはり本職のカメラマンが必要。

ライターはカメラマンに知り合いがいることも多いので、聞いてみてもいいでしょう。

使い捨てのようなコンテンツは別にして、長い間残るようないいものを作りたいのであれば、写真はカメラマンに頼むのがおすすめです。

びっくりするくらい違いますから。

⑦録音音声はいるのか

取材の様子をライターが録音している場合があります。

「言った、言わない」を避けたり、細かい部分を確認したりするためですが、発注側も「取材時のやり取りを確認したいから、音声記録を文字に起こして紙でくれないか」というケースがあります。

大企業の社長をインタビューするようなケースで、広報が欲しがる印象があります。

つむぎやも録音音声文字おこしサービスを手掛けていますが、文字おこしを依頼したい場合はライターにあらかじめ言っておきましょう。

⑧その他(納期、媒体など)

当たり前なので、簡単に触れるだけにしますが、まず納期

いつまでに初稿を出してほしいのか、きちんと説明しておきましょう。修正が必要となった場合を考慮し、本当の締め切りよりゆとりを持って設定した方がいいでしょう。

個人的なアドバイスですが、締め切りを守らないライターはすぐに切りましょう。ろくなことがありませんよ!

次に、掲載する媒体。

これは打ち合わせの際に、自然と話題に上るはずですよね。紙媒体とWEBメディアでは写真の枚数なども変わってくると思うので、きちんと説明してください。

発注前に考えておくことは、意外にいろいろある

いかがでしたたでしょうか。

思ったより、いろいろありませんでしたか?

大切なのは、どんなものを作りたいのか、というイメージを具体的に固めていくこと。

それが決まってないと、具体的な指示を出せず、ライターが立ち往生してしまいます。

ライターの能力を最大限に引き出せるよう、頑張ってください!


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