フリーランス・個人事業主 脱サラ後は健康保険、年金の手続きを② ~年金を徹底解剖~

年金制度 フリーランスだからこそ学ぼう

ライター事務所「つむぎや」のアキラ(@510tsumugiya)です。

今回はフリーランス・個人事業主 脱サラ後は健康保険、年金の手続きを① ~健康保険編~」に続いて、年金がテーマです。

さて、自由な働き方を求め、脱サラしフリーランスになる準備を進めている方に質問です。

年金に加入する手続きは済ませましたか?

脱退手続きは会社がしてくれますが、加入手続きはだれもしてくれません。

サラリーマン時代と違って、いくら待っていても「こんな手続きが必要だよ」と親切に耳打ちしてくれる人もいません。

フリーランスになった以上、年金のことは自分で勉強し手続きする必要があります。

年金制度はよく変わりますし、相当複雑です。

「『2階建て』から『1階建て』に」「掛け金は全額、所得控除に」――。よく分からない専門用語も飛び交います。

サラリーマンに比べ保障が脆弱と言われるフリーランス。老後の暮らしを守るためにも、独立を機に年金制度の仕組みや手続きを勉強しておいて損はありませんよ。

◆年金制度とは

20歳を迎えると、全員が国民年金に強制加入させられ、保険料を納める義務が生じます。その保険料を、お年寄りに年金という形で「仕送り」するように給付するのが年金制度です。

公的な年金制度は国民年金のほかに厚生年金があって、すべての人がどちらかに加入しないといけません。

制度加入対象
国民年金20歳以上60歳未満のすべての人
厚生年金
会社員、公務員など

以前は、公務員が加入する「共済年金」という制度がありましたが2015年10月、厚生年金に統一されました。

よく勘違いされるのが、厚生年金と国民年金はまったくの別ものだと思われている、ということ

実は厚生年金に加入すると、自動的に国民年金にも入ってしまう仕組みになっています

例えば、厚生年金に加入し続け給付を受ける段階になると、国民年金を元に支給される「基礎年金」と、それに上乗せする形で「厚生年金」を受け取ることになります。

 

 

 

 

出典|厚生労働省HP

厚生年金が「2階建て」と呼ばれている理由はここにあります。

フリーランスが入れるのは国民年金 受給条件は「10年以上納付」に緩和

フリーランスが入れるのは、国民年金だけです。

脱サラした人は、厚生年金→国民年金と切り替える必要があります。

国民年金加入者が納めないといけない保険料は、

月額16490円(平成29年度)

定額です。収入が多かろうが少なかろうが関係ありません。しかも、さらに高くなる見通し。

仮に、20~60歳まで40年間の全期間保険料を納めれば、満額の月額約6.5万円(平成29年度)を受給できます。もらえるのは65歳から。

受給条件は「10年以上、保険料を納めていること」。以前は25年以上、保険料を納めていないといけませんでしたが2017年8月に制度が変わり、一気に短縮されました。

当然ですが、納めた期間が短いほど受け取れる年金も少なくなります。

障害年金、遺族年金の受給も頭に入れておく

国民年金に加入していると、給付されるのは65歳からもらえる年金だけではありません。

病気やケガで生活や仕事が制限されるようになった場合、現役世代も含め受け取ることができる「障害年金」や、被保険者が亡くなったとき、その人の収入で暮らしていた遺族に支給される「遺族年金」もあります。

自分には関係ないことと思わず、頭のスミにでも入れておきましょう。いざという時、かならず助けになるはずです。

国民年金 忘れないうちに役場で手続きを

冒頭で触れたように、脱サラした後の国民年金加入の手続き(厳密には国民年金への種別変更手続き)は自分でやらないといけません。

期限もあるので、速やかに手続きを行いましょう。手続きは以下の通り。

【手続きする場所】
住んでいる市区町村役場。国民年金の担当窓口へ。

【手続き期限】
退職日の翌日から14日以内。仮に忘れても、納付期限の2年以内であれば追納できますが……。

【手続きに必要なもの】
・年金手帳
・退職日を証明できるもの(退職証明書、離職票など)
・印鑑

扶養に入っている配偶者の年金はどうなる?

厚生年金に加入しているサラリーマンの家庭の場合、扶養に入っている配偶者は保険料を支払う必要がありません。制度上、配偶者自身が保険料を支払わなくても年金が積み立てられるシステムになっているからです。

ところが、脱サラしてフリーランスになると、配偶者も保険料を支払う必要が出てきます。

年金制度用語で、フリーランスなどの自営業者は「第1号被保険者」、サラリーマンなどは「第2号被保険者」、扶養に入っている配偶者などは「第3号被保険者」と呼ばれます。

例えば夫がサラリーマン(第2号)からフリーランス(第1号)になると、その妻は第3号から第1号に移らないといけなくなり、保険料支払いの義務が新たに生じます。

妻が、引き続き働かずに扶養される立場であれば、フリーランスになった夫が、実質2倍(2人分)の保険料を負担することになってしまうんです。

2倍!

がんばって働くしかありませんね!

国民年金だけでは心細い 自助努力で上乗せを

国民年金だけだと、満額の場合で月額約6.5万円支給されると書きましたが、それだけで生活できそうですか? ちょっと厳しい人がほとんどではないでしょうか。

ではどうするか。

自助努力しかありません。

フリーランスが国民年金にプラスし上乗せできる主な制度は次の通りです。

①付加年金
②国民年金基金
③個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)
④小規模企業共済

それぞれどんな制度なのか確認していきましょう

①付加年金

国民年金の毎月の保険料に400円プラスするだけで、年額にして「200×(付加年金を納めた月数)」を年金に上乗せできる制度。

たとえば20年間納付すれば、200×240月で年4万8000円。月額で4000円を将来もらう年金に上乗せできます。

計算すれば分かりますが、受給期間が2年を超えれば元を取れます。上乗せ分は少ないですが、かなりメリットがある制度です

ですが、次に説明する国民年金基金とは併用できないのでご注意を。

②国民年金基金

プランに選択肢が多く、掛け金や給付額を比較的自由に設定できることが特徴です。

加入者が亡くなったとき遺族に給付があるかどうか(A型orB型)、支給開始年齢(60歳or65歳)、給付を保障する期間、などを選ぶことができます。

掛け金はプランや加入口数、年齢、性別などで変わり、上限は月6万8000円。

掛け金は全額、社会保険料控除でお得。ですが付加基金とは併用できず、基本的に途中脱退もできません

個人的な感想ですが、年金制度の中でもトップクラスの分かりにくさです。知識がない方は、かなり勉強する必要があるので覚悟してください。

加入を検討されている人のために、国民年金基金HPにある
年金額のシュミレーション
掛金月額表
のリンクを貼っておいたので、ご参照ください。

③個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)

民間の金融商品を使って加入者自身が掛け金を運用し、その実績に応じて給付額が変動する制度。60歳以降、年金として受け取ることができます。2017年に加入対象が大幅に拡大され、話題を集めました。

掛け金は月5000円からで、1000円単位で変更可能。フリーランスの場合、上限は月68000円です。

選ぶ金融商品にはリスクを抱える「投資信託」のほか、元本が確保される「定期預金」「保険商品」もあります

メリットは、掛け金の全額所得控除、運用益が非課税(通常は約20%課税)、受給の際にも税制面で優遇措置がある、など。これらは結構大きいですね。

ただし、運用は自己責任で行うので資産を減らしてしまうリスクもあります。原則60歳まで引き出せないことも注意が必要でしょう。

何でも行政や他人任せではなく、自分の将来は自分の力で守りたい、という人に向いているでしょう。うまくやれば資産を大きく増やすことも可能です。

個人的には、これかな、と思います……。

以下の書籍が分かりやすいと評判です。ご参考に。

「フリーランス向けの公の退職金制度」とも言える共済制度。独立行政法人「中小企業基盤整備機構」が運営しています。

掛け金は、月1000円~7万円(500円刻み)で、全額が所得から控除されます

フリーランスであれば、廃業した場合などに共済金を受け取れます。受け取り方法は「分割」(10年、15年)または「一括」、もしくはこの二つの併用が可能。「一括」の場合は退職所得控除などのメリットがあります。

運用環境にもよりますが、積み立てたお金の利回り(予定利率)が1.0%(2017年時点)というのも、銀行などに比べかなり高めですよね。

また、掛け金の総額を上限に資金を借りることができる、といった他にはない貸付制度もあります。

納付期間20年未満で任意解約した場合は、元本割れするのでご注意ください。基本的に長く納めるほど得になります。

サービスの複数組み合わせがおすすめ

フリーランスが老後に備えるための制度をいろいろみてきましたが、資産形成に関してはこのほかにも民間の年金保険商品など、さまざまな商品があります。

リスク分散の観点からも、どれか一つのサービスに絞り込むのではなく、いくつかのサービスを組み合わせるのが基本ではないでしょうか

このブログを書くために、丸5日ほど費やして年金サービスを調べましたが、この中から選ぶとすれば、付加年金と小規模企業共済で足元を固め、少しリスクを取りながらiDeCoを運営するのがおもしろいのかな、と思います。

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